今回の記事では「理想の上司に必要な要素や条件」について考えます。
結論を言ってしまうと、私は「部下への愛情」が最も重要だと考えていますが、その詳しい内容を以下に順次書いていきます。
- 部下との関係がうまくいっていない人
- 自分がいずれ部下を持つことへの不安を抱えている人
- 良き上司になりたい人
そんな方々の参考になればと思います。
「上司と部下の関係性」は仕事における最重要テーマ
「上司と部下の関係性」というのは、いつの時代も、どんな組織でも仕事における最重要テーマの一つです。
より多くの成果を出して会社の業績を上げるという面では勿論のこと、働きがいやメンタルヘルス、ワークライフバランスといった様々な面にも直結する、非常に重要な要素でもあります。
実際、「理想の上司とは」や「部下の育て方」などの内容に関する本は世の中に山ほど存在していますし、これらをテーマにした研修も多くの会社で行われています。
ただ、それでもなお
- 上司から部下へのパワハラ
- 上司と相性が合わない
- 部下が言うことを聞かない
- 部下からの報連相がない
といった問題をあちこちで耳にすることから、上司と部下の良好な関係性を構築することがいかに難しいかが見て取れます。
コミュニケーションの技術は大事だが…
そんな仕事の難しい人間関係を少しでも良くしていくため、世の中では様々な改善策や対処法が提唱されています。
例えば、アンガーマネジメントはその代表的なものでしょう。
つい部下に対して感情的に怒ってしまいそうになるところを抑え、怒りの感情をうまくコントロールして自分の意図を正しく伝える。
これは部下との良好な関係を維持する上でとても重要です。
他には「傾聴」というテクニックもあります。
部下の話を自分の経験や価値観だけで判断するのではなく、部下の立場になって、その気持ちに共感しながら理解しようとする姿勢のことです。
これも部下との信頼関係を築く上で非常に役立ちます。
もちろん、これらの技術やテクニックは上司と部下の関係性を良くする上で大きな効果があるでしょうし、大切なことだと思っています。
ですが、私は理想の上司として最も重要な本質はコミュニケーションの技術ではなく、違うところにあると考えています。
理想の上司に必要な要素は「部下への愛情」
それは冒頭でも紹介した通り「部下への愛情」です。
- 真摯に部下と向き合い、真剣に指導する
- 部下の成長のために、自分の知識や経験を惜しみなく伝える
- 失敗を責めるのではなく、次にどうすれば良いか一緒に考える
- 部下の考えや意図を積極的に理解し、受け入れようとする
といったように、「部下に成長してほしい」「部下の力になりたい」という強い気持ちを持って接することが必要ではないでしょうか。
そういう土台があって初めて、アンガーマネジメントや傾聴といったコミュニケーションの技術が意味を持つと思います。
逆に言うと、本当に心から部下を思いやる気持ちを持っていれば、多少荒っぽい言葉でも、厳しい言い方でも、不器用な伝え方でも、部下にその想いや情熱は伝わるはずです。
このような上司の態度を見れば自然に、「私のことを思って、私の成長のために行動してくれている」と部下が安心感を持てると思います。
これこそが理想の上司像ではないでしょうか。
部下を大切にしない上司には不信感を抱く
一方、部下を大切にしていない上司の行動や言動を部下は敏感に感じ取り、疑念や不信感を抱きます。
例えば以下のようなものです。
- 自分が上であること、優れていることを誇示するかのような指導
- 部下の立場に立って考えず、自分の価値観を押し付ける言動
- 部下の意見に否定的な反応ばかりする
- 自分の気に入った部下にばかり良い態度をとる
特に、表面上は部下の指導や教育をしているように見えても、その実は自分の知識や能力を披露し、上司としての有能さをアピールしたいだけの態度は部下に目ざとく見透かされます。
とはいえ人間は他者に対する優越感を持ちたがる生き物なので、誰だってどうしても「他人から有能に思われたい」という気持ちはあると思います。私にもあります。
ですが、上司としてそれではいけない。
凄い上司、良い上司だと部下に思われたいという気持ちは脇に置き、あくまで心から部下の成長を願い、支援する姿勢が重要でしょう。
私自身もその点を反省し、「自分がどう思われるか」ではなく「共に働く人にどんな貢献ができるか」を強く意識するように心掛けています。
部下に十分な指導や教育を行うのが上司の役割
世の中の部下を持っている上司の中には、
「いやいや自分の仕事で手一杯で、部下のことをそんなきめ細やかに面倒見てられる時間なんてあるはずない!」
と感じる人もいるかと思います。
でも、それはそもそも仕事のやり方を間違えていると思います。
自分の部下に十分な指導や教育を行うのが上司の役割です。
ならば、部下にしっかりとした指導ができる余裕を持てるよう、引き受ける仕事の量を上司自身がコントロールするべきです。
実際にはなかなか難しいことだとは重々承知しています。
でも、自分自身の忙しさにかまけて部下をほったらかしにするよりも、勇気を出して余計な仕事を断り、その分の時間で部下に丁寧な指導をする方が、長期的に見れば大きな成果につながるのではないでしょうか。
このように、「部下を管理するために、まず自分を管理できること」も理想の上司の条件の一つだと思っています。
どれだけ多くのものを部下に与えることができるか
ここまでの内容をまとめると、部下に「与える」ことができる人間が理想の上司だと言えます。
部下に対して
- 愛情や情熱
- 成長の機会
- 自分の知識や経験
- 考える力
- モチベーション
- 手厚い支援
- 丁寧な指導
といったものを惜しみなく与えることができれば、部下は信頼してついてきてくれるはずです。
逆に、部下の成長の機会やモチベーションなど様々なものを奪ってばかりの人間は、良い上司にはなれないと思います。
見返りを求めず、どれだけ多くのものを部下に与えることができるか。
それが理想の上司となるためのカギではないでしょうか。
この考え方は上司と部下という関係性に限らず、仕事や日常の様々な人間関係においても大切になってくると思います。
まとめ
以上、今回の記事では「理想の上司に必要な要素や条件」について色々と考えてみました。
どれだけ部下に愛を持って接し、どれだけのものを与えられるかが、理想の上司に必要な要素だと思っています。
部下との関係に悩んだ時はこのコラムの内容を思い出し、ぜひ参考にしてもらえれば嬉しいです。
今回も最後まで読んでいただき大変ありがとうございました。