内向型

【内向型を強みにする】の本の要約と感想

本の概要

この本は、アメリカの心理療法士であるマーティ・O・レイニー氏による著作です。

内向型の人々に、自分自身の性質を正しく知ってもらうことを目的に書かれました。

これまでの研究の結果や著者の心理療法士としての経験、そして何より内向型である著者自身の体験をもとに、内向型に関する膨大な情報が詰め込まれています。

本の内容は以下に示すように、内向型に関する全10章で構成されています。

  1. 内向型と外向型の違い
  2. 内向型が誤解される理由
  3. 内向型と脳科学
  4. 内向型の恋愛
  5. 内向型の子育て
  6. 内向型の人間関係
  7. 内向型と仕事
  8. 内向型が自分を守る方法
  9. 内向型の心と体のケア
  10. 内向型が外の世界へ出ることの大切さ

まず1~3章で、そもそも内向型人間とはどのようなものなのかを脳科学を交えて説明し、

続く4~7章で内向型の日常生活や人間関係に関する様々なアドバイスを提供し、

最後の8~10章で内向型に合った生き方について解説する、という流れになっています。

本書の中で特に重要で心に残る内容は後半に集中しているので、ぜひ最後まで読んでみることをオススメします。

この本の中で印象深かった点

内向型と右脳・左脳の関係

この本では、内向型の中には右脳の働きが優位なタイプと左脳が優位なタイプの2通りが存在すると解説されています。

それぞれの特徴は以下の通りです。

  • 右脳優位…抽象的、全体的、創造的
  • 左脳優位…論理的、客観的、具体的

このうち左脳優位の内向型の方が現在の教育制度に適応しやすく、また一人でいることを苦にしないので、右脳優位の内向型よりも生きやすいのではないかとのことです。

いずれにせよ、自分がどちらの内向型なのかを把握しておくことは大変有用でしょう。

ちなみに私自身は数字が得意で論理的に物事を考えるタイプなので、左脳優位の内向型だと思います。

このように、内向型と右脳・左脳の関係性について述べている本は私にとって初めてだったので、非常に興味深かったです。

内向型のパートナーとの付き合い方

4章では内向型のパートナーと上手く関係性を維持する方法について、3つのパターンに分けて解説されています。

  • 内向型の男性+外向型の女性
  • 内向型の女性+外向型の男性
  • 内向型の男性+内向型の女性

いずれの場合も、その組み合わせにおける

  • メリットとデメリット
  • 起こり得るトラブルや問題点
  • 良好な関係を維持する方法

についてかなり細かく具体的に紹介してくれています。

特に1つ目の「内向型の男性と外向型の女性」の事例は私自身も思い当たる部分があり、読んでいて痛い所を突かれた気持ちになりますが、とても貴重な情報です。

この組み合わせのカップルに対するアドバイスが載っている本は珍しいのではないでしょうか。

もちろん3つ目の「内向型の男性と内向型の女性」のパターンも読者で当てはまる方は多いと思いますし、とても参考になるはずです。

この本の中でもかなり実用的ですぐに役立つ内容だと感じました。

優先順位をつけることの大切さ

「内向型の人のエネルギーは限られているため、エネルギーを確保し、それを自分にとって最も意義深く価値あることに注ぐ必要がある。」

という旨の内容が本書では書かれています。

私自身も、自分は他の人に比べて体力が少なく、心身共に疲れやすいとは薄々感じていたものの、そのことを受け止めきれずにいました。

実際、誰しも「自分は他の人よりもエネルギーがない」と指摘されるのは辛いでしょう。

でもだからこそ、内向型の人間はできることとできないことの境界線を引き、物事の優先順位をつける必要がある。

そうやって限界を知ることで私たちは強くなれる。

と、強い言葉で著者は主張しています。

では、どう優先順位をつければよいのか?ということに関して著者は

自分にとって意義のあること

を優先すべきだと述べています。

そしてこの「意義」とは、

あなたに活力を与えるものや、朝、飛び起きたい気分にさせてくれるもの

だそうです。

内向型のエネルギーが限られているという事実は変えようがありません。

ならば、そのことを前向きに受け入れ、その分自分にとって意義のあることに全力を注ごうと私は感じました。

外へ出ることの大切さ

一番最後の10章では、内向型の人も安全な場所にずっと留まっているのではなく、時には新しい環境、人、場所に出ていった方が良いと書かれています。

その理由は、

  • 新しい考え、関係、経験を獲得するため
  • 「外向型の態度」を取り込むため
  • 自分自身の成長のため
  • マンネリに陥らないようにするため

などだそうです。

正直私は「正論だけど、なかなか難しいことを言うな…」と感じました。

内向型の私にとって新しい環境は非常に苦手です。

一応著者は

自分の快適ゾーンを離れて外に出て、やるべきことを達成した後はさっと引き上げてくればいい。

とも書いていますが、内向型の度合いが強い人はそれでもキツいのではないか。

著者が期待する頻度よりもずっと少なくていいから、自分の気力・体力共に万全な時にほんの少しだけ新しい環境に飛び込んでみる。

というチャレンジを繰り返すのが内向型には向いているのではないかと私は思いました。

まとめ

以上、今回の記事では【内向型を強みにする】の本を紹介しました。

内向型に関する非常に多くの情報やアドバイスが載っていますので、内向型の自覚がある人は一度読んでみると良いと思います。

自分に合ったアドバイスや取り組めそうな内容を取り入れ、ぜひ普段の生活に活かしてみてください。

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