本の概要
現代は、日常生活では無尽蔵とも言える量の情報に溢れ、仕事では何もしなくてもどんどん新たな仕事が降りかかってくる、「余計なもの」にまみれた世の中です。
この本はそういった余計なものを排除し、
- 自分が一番好きなこと
- 自分が本当にやりたいこと
- 自分の人生にとって本質的な価値があること
に集中するための方法を教えてくれます。具体的には、
- 自分がやるべきことや自分にとって重要なことと、そうでないことを的確に見極める技術
- 見極めた結果、自分がやるべきでない、自分にとって重要でないことを上手く断り、捨てる技術
- これらのプロセスを気合いと根性で成し遂げるのではなく、労せずして実行するための仕組み化の技術
の3点に関して詳しく記載されています。
この3つの技術が「エッセンシャル思考」です。
特に仕事において悩みを抱えている人、どれだけ頑張っても思うような成果が出せない人に、多くの示唆を与えてくれるでしょう。
他の方のブログやインフルエンサーなどの各方面から絶賛されており、非常に信頼性と説得力のある本です。
この本の中で印象深かった点
自分で優先順位を決めなければ、他人の言いなりになってしまう
これは本の序盤に出てくる一文ですが、私がこの本を読んで最も印象に残ったフレーズでもあります。
自分なりの明確な基準を持って物事の優先順位を決める意志がないと、他人に言われるがまま行動することになる。
それはつまり、自分の人生の主導権を他人に委ねてしまうことだとも言えます。
…何と恐ろしいことか。
ですが幸いにも、そんな悲劇的な状況を脱して「自ら選ぶ力」や「主体的な人生」を取り戻すための方法が、この本にはたくさん載っています。
これこそがエッセンシャル思考の神髄です。
自分の人生に改めて向き合う機会を提供してくれ、とてつもなく大きな力を与えてくれる本だと感じました。
「断る」ことは非常に難しいが、エッセンシャル思考には不可欠
自分の人生にとって余計なものや不要なものを取り除く上で、「断る」という行為を避けて通ることはできません。
ただ、人からの依頼やお願いを断ることはそう簡単ではありません。私だって苦手です。
著者もそのことは重々承知しているようで、上手く断るための技術や方法をこれでもかと言わんばかりに数多く紹介しています。
一例を挙げると以下のような感じです。実際には他にも色々と載っています。
- 直接的でない表現を使う
- 代替案を出す
- 「予定を確認して折り返します」
- 「どの仕事を後回しにしますか?」
- 別の人を紹介する
同じテクニックばかり使い過ぎると相手に良くない印象を与えるかもしれませんが、これらのテクニックを状況に応じて使い分けていくことで、「断る力」を徐々に身に付けられそうです。
人からの頼み事を断ることは誰にとっても難しく、人生を通じた課題だとも言えます。
ですが、ここを何とか乗り越えて「断る力」を得ることができれば、自分にとって重要なことに集中できる、充実した人生に大きく近付けるはずです。
内向型やHSPの人にとって、エッセンシャル思考は特に重要
内向型やHSPの人は
- 他人を助けたい、力になりたい気持ちが強い
- 人にお願いをするのが苦手
- 人からの頼みごとを断るのが苦手
- 「もっと頑張らないと」と思い込みやすい
といった性質を持っている人が多いようです。
そのため、どうしても多くの仕事やタスクを抱えてしまいがちになってしまいます。
結果として自分にとって本当に重要なことや、やりたいことを見失い、図らずもエッセンシャル思考とは対極の生き方となってしまう。
そんな人生はあまりに勿体ないです。
だからこそ、内向型やHSPの人はこの本を読んで「エッセンシャル思考」の知識を身に付けることが本当に重要だと思います。
そして身に付けた知識を実践していけば、他人に過剰に振り回されず、自分のことに集中できるようになっていくでしょう。
また、著者はこの本の中で「孤独になり、集中して考える時間の大切さ」を説いています。
孤独もエッセンシャル思考にとって重要な要素の一つであると。
この「孤独」は内向型の人と相性が良いと私は思っています。
内向型の人は孤独に慣れており、孤独に強く、孤独を苦にしない。
そのため、内向型の人がエッセンシャル思考の考え方を実践するにあたって、まずは「孤独な時間」を有効利用することを取っ掛かりにすると良いのではないでしょうか。
まとめ
今回の記事では、「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」の本を紹介しました。
本来自分にとって必要のない情報、仕事、関係性、タスクがあまりに多すぎる現代で、自分を見失わずに生きていく上で必携の本と言えるでしょう。
また、その性質上多くの物事を抱え込んでしまいやすい内向型やHSPの人にとって、特に実用的で有用な本だと思います。
ぜひ皆さんがこの本を読んで、自分の人生をシンプルかつ充実なものにしていってくれることを願っています。