私は昔から長期的な目標や計画を立てるのが非常に苦手でした。
長年その理由を解明できませんでしたが、どうやらHSPであることが大きく関係していることが分かってきました。
今回の記事では、
・なぜHSPの人が長期的な目標や計画を立てるのが苦手なのかという理由
・HSPの人がうまく目標や計画を達成するにはどうすればよいか
を述べていきます。
私はなぜか長期目標の設定がとても苦手だった
私は長期的な目標や計画を立てることにずっと苦手意識がありました。
なぜなのかと聞かれても理由をうまく説明できなかったのですが、どうにも長期目標を設定することが苦手だったのです。
具体的には以下のような例があります。
・仕事でプロジェクトの工程を細かいステップに分けて、○○はいつまでに達成、△△はいつまでに完了、と設定することがうまくできない
・何歳までにいくら貯金して、何歳までに結婚して、何歳までに家を買って、というようなライフプランをイメージできない
・受験勉強や資格の勉強で、〇月までにこの範囲を終えて、△月までにその範囲をやって、という計画をうまく立てられない
こういった目標や計画を立てようと考え始めると頭がボーっとしたり、混乱したり、イライラしてしまい全然ダメでした。
長期目標や計画を設定する場面はそこまで頻繁にある訳ではないので、深刻に悩むほどではありませんでしたが、なぜうまくいかないのか頭の中でずっと引っ掛かっていました。
その後自分がHSPだと知って、HSPの性質を色々と調べているうちに、どうもこの苦手意識はHSPであることが原因だと判明したのです。
なぜHSPは長期的な目標や計画を立てるのが苦手なのか
では、なぜHSPの人は長期的な目標や計画を立てるのが苦手なのか?
それにはやはりHSPの「物事を深く考える」「刺激に敏感」といった性質が大きく関わっているようです。
長期的な目標や計画を立てるというのは、すなわち「未来のことをよく考える」行為だと言えます。
未来のことを考えるとなると、そこには多くの不確定要素が存在します。
非HSPの人であれば、そういった不確定要素は「大体こんな感じだろう」「こんなもんだろう」と大雑把に想定し、長期的な目標や計画を立てるでしょう。
しかし、HSPの場合はそう簡単にはいきません。
HSPの人は刺激に敏感で物事を深く考える性質があるので、数多くの不確定要素に対しても
もし○○が××だった場合は…、いや、でも□□になる可能性もあるし…
と、一つ一つ入念に、徹底的に考え抜こうとします。
でも不確定要素である以上、どんなに一生懸命考えても実際にどうなるかは分からず、答えは出ません。
そうして存在しない「完璧な目標や計画」を探し求めて悩み続けているうちに混乱し、不安が強まり、疲れ果ててしまう。
その結果、長期的な目標や計画を立てるのが嫌になってしまう、というメカニズムだと私は考えています。
HSPの人はどう目標や計画を立てるべきか
これを踏まえた上で、HSPの人はどのように目標や計画を立てれば良いのか?
私は「バックキャスト」と「フォアキャスト」の2つの言葉がキーワードになると考えています。
バックキャストで考えない
「バックキャスト」とは、
望ましい未来の姿を思い描き、そこから逆算して自分が今何をすべきか考えること
を言います。
明確な戦略が必要な多くのビジネスにおいて有効な考え方なので、HSPの人にもこの方法で目標や計画を立てている人が多いでしょう。
しかし、このやり方はHSPの人には向いていないと私は思っています。
前述した通りHSPの人は未来のことを考えようとすると、多くの不確定要素を徹底的に考慮しようとして混乱し、強い不安を感じてしまいます。
よく分からない、はっきり分からない物事はHSPの人にとっての天敵です。
なので、そもそも未来を考えること自体がHSPの人に適しておらず、未来から逆算するという行為が上手くいくはずもありません。
一般的には目標や計画を立てる手法としてバックキャストが推奨されることが多いですが、その意見を鵜呑みにしたり真に受けたりする必要はありません。
HSPなりの、HSP向きのやり方で取り組む必要があります。
フォアキャストで考える
バックキャストの反対の考え方に「フォアキャスト」があります。これは、
「今」を起点として行動を積み重ね、現在の延長線上に未来を築き上げていくこと
を言います。
現在の状況に縛られ、比較的保守的で非挑戦的な考え方と見なされるため、目標や計画を立てるための方法として近年はあまり推奨されないことが多い印象です。
しかし、HSPの人にはこのフォアキャストの考え方が向いていると感じています。
今現在を起点とし、今に集中することができるので、あいまいな未来の不安を考慮する必要がありません。
余計な刺激や不安を感じずに目標に向かって集中できれば、HSPの人は大きな力を発揮します。
フォアキャストの具体的なやり方としては、まずざっくりとした最終目標だけを決めます。
具体的に考えると違和感や不確定要素が目についてしまって頭から離れなくなり、過度な不安につながるのでので、あくまでざっくりです。
そして、最終目標に至るまでの中間目標も、細かなスケジュールも特に考えません。
とにかく「最終目標」の一点のみを考え、そこに向かって今自分がやること、できることだけに集中して取り組みます。
それをひたすら継続して積み重ねているうちに、気付くといつの間にか最終目標を達成している。
これがHSPの人が採用すべき、HSPに適した、フォアキャスト的な目標や計画の立て方となります。
ただ、仕事上どうしてもバックキャスト的な方法で目標や計画を立てざるを得ない場面もあるとは思います。
それは仕方ないとしても、HSPの人はできる限りで良いのでフォアキャストで考えて行動することで、目標や計画を立てるのがずっと楽になるはずです。
私自身もフォアキャストで考えることを重視するようになってから、比較的不安や混乱を感じることなく大まかな目標や計画を立てられ、それを達成できるようになりました。
フォアキャスト、すなわち
「今」を起点として行動を積み重ね、現在の延長線上に未来を築き上げていくこと
この考え方はHSPの人に本当にオススメです。
まとめ
今回の記事では、
・なぜHSPの人が長期的な目標や計画を立てるのが苦手なのかという理由
・HSPの人がうまく目標や計画を達成するにはどうすればよいか
について解説しました。
HSPの人は未来の様々な不確定要素に振り回されてしまうので、通常のやり方で長期的な目標や計画を立てようとしても上手くいきません。
ざっくりした最終目標だけを決め、中間目標やスケジュールは立てず、今自分がやることだけに集中して取り組んでいく。
そんなフォアキャスト的な目標や計画の立て方、取り組み方が向いています。
ぜひ皆さんも取り入れてみてください!