今回の記事では「文才」について考えます。
文才がある人にはどんな特徴があるのか、私なりに感じていることを一つ一つ詳しく説明していきます。
文章を書くことに興味がある方はぜひ読んでみてください。
そもそも「文才」とは?
まず、そもそも「文才」とは一体どういう意味なのでしょうか?
辞書で調べるとこのように載っています。
文章を巧みに書く才能。文学的才能。
かなり曖昧な定義であり、これだけでは正直よく分かりません。
それに対し、私が考える文才の定義は以下のようなものです。
人の心を揺さぶり、惹きつけることのできる、独自性に溢れた文章を書ける才能。
会議の資料や論文といった、自分の個性を殺した理性的な文章を、分かりやすく正確に書ける人がいます。
しかし、その能力は文才とは呼ばないでしょう。
(もちろんそれはそれで重要な能力ですが)
あくまで自分らしさや自分の感情を込めた文章に宿る才能を、文才と呼ぶのだと思います。
今回は私なりの「文才」の定義に基づいて、文才がある人の特徴を解説していきます。
文才がある人の特徴
自己矛盾している
文才がある人の特徴のうち、私はこれが一番重要な要素だと思っています。
己という一人の人間の中に
- 自信と不安
- 大胆さと繊細さ
- 優しさと厳しさ
- 真面目と怠惰
- 誠実さと狡猾さ
といった相反する性質を持つことは、人間である以上特に珍しくはありません。
ただ、その相反する性質が両方とも猛烈に強い、例えば
- 仏のように優しい時もあれば、鬼のように激怒する時もある
- 心静かに落ち着いている時もあれば、極度にヒステリックな時もある
- 真面目で超勤勉な時もあれば、やる気が出ず一切何もしない時もある
といった場合、その人は自己矛盾していると言えるでしょう。
そんな自己矛盾を抱えている人は、真逆の性質が心の中で激しくせめぎあい、火花を散らしています。
自分の中の矛盾に悩み、感情の制御に苦心し、どう折り合いをつければ良いのか葛藤し続けている。
この苦悩は炉心のように爆発的なエネルギーを生み、結果として他を圧倒するような鬼気迫る文章表現につながるのだと思います。
内省的
内省的とは、自分自身の心の内側をよく省みるような性格のことです。
自分の行動や言動、それに対する相手の反応を思い返し、考察し、意味づけをする。
このプロセスを日常的に繰り返しています。
つまり、いつも当たり前のように考え事をしている人とも言えます。
考えれば考えるほど人生や人間に対する洞察は深まっていき、練り上げられていく。
それによって、深みのある文章を書くことができるようになるのでしょう。
逆に考えれば、細かいことをあまり考えず気楽に生きている人が、豊かな表現の文章を書けるとは思えませんので…
メンタルが不安定
メンタルが不安定な人も文才があることが多い印象です。
いわゆる「アーティスト」の人はメンタルが繊細な人が多いとも聞きますが、それと同じようなイメージです。
精神的にタフでどっしり構えているタイプの人間に、文才がある人はあまりいないと思います。
メンタルが安定していない状態の方が文章に気迫がこもり、情熱的な文章を書きやすい。
実際、私の場合も精神的に不安定な時の方が「筆が乗る」ことが多いです。
メンタルが安定している時の文章は読みやすくはあっても、心にグッとくる文章にはなりにくい。
精神的に不安定であることは日常生活に悪影響があるので、文才があったとしても手放しでは喜べないのが悩ましいところです。
また、私の推測になりますが、太宰治や川端康成などの悲劇的な最期を遂げた作家もメンタルが不安定だったのではないでしょうか。
語彙が豊富
語彙が豊富であることも、独自性のある文章を書く上では重要です。
もちろん難しい単語をたくさん使えばいいというものではありませんが、知っている言葉が多いほど多彩な文章表現ができるのは間違いないです。
文章を書く際には全く同じ言葉を何度も使うとだれてしまい、あまり好ましくありません。
そんな場合に、似たような意味を表す別の言葉を使うことができれば、マンネリを避けることができます。
また逆に、微妙にニュアンスの異なる様々な言葉、例えば
- 鑑賞、観賞、観覧、閲覧
- 梅雨、長雨、五月雨、時雨、緑雨
を知っていれば、それだけ表現の幅が広がり、繊細なニュアンスの文章を書くことができます。
語彙が豊富かどうかは後天的な性質だから才能とは呼べないのでは?と思う人もいるかもしれません。
確かに一理ありますが、語彙を増やすためにはそれだけ多くの本を読み、他人の文章に触れる必要があります。
苦痛と感じることなく多くの本を読めるのも一つの才能と言えるでしょう。
ロマンチスト
文才がある人はロマンチックでもあると思います。
仕事の資料のような定型的なものではない、自分らしさを前面に出した文章を書く上では、カッコつけたような、キザな表現を使う場面が多々あります。
そういうある意味小恥ずかしい文章を思いつけるのは、ロマンチックな人でしょう。
ロマンチストであるからこそ、普通の人なら恥ずかしくなってしまうような表現を惜しげもなく披露できるのだと思います。
また、文学的な文章のテーマとしては「恋愛」や「愛情」が取り上げられることも多いです。
そういったテーマの文章には、ロマンチストの豊かな想像力が存分に生かされます。
恋愛における微妙な心理の移り変わりを生き生きと描き出すこともできるのです。
HSP
このブログをご覧の方は既に知っていると思いますが、HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、非常に感受性が強く敏感な気質を持った人のことを指します。
程度の差こそあれ、5人に1人がこのHSPであると言われています。
HSPの人には文才溢れる人が多いようです。
というのも、HSPはDOESという以下の4つの特性を持っています。
- D:Depth of Processing(深く処理をする)
- O:Overstimulation(過剰に刺激を受けやすい)
- E:Emotional Response and Empathy(全体的に感情の反応が強く、共感力が強い)
- S:Sensitivity to Subtleties(些細な刺激を察知する)
これらの特性から分かる通り、HSPは
- 身の回りのあらゆる物事や情報が頭に流れ込んでくる
- 人間が持つポジティブ、ネガティブ双方の感情をよく理解している
- 芸術に対する造詣が深い
- 思索にふけることを好む
という傾向があります。
それゆえに、文章表現の幅が普通の人よりも広くて豊かです。
そして言葉の選び方や文章構成に独特のセンスがあります。
このセンスを活かすことで、時に美しく、時に儚く、時に熱量のある、人の心に響く文章を書けるのです。
まとめ
以上、今回は文才がある人の特徴を私なりの視点で紹介しました。
一つの参考にしていただければと思います。
この記事で取り上げた、
- 自己矛盾している
- 内省的
- メンタルが不安定
- 語彙が豊富
- ロマンチスト
- HSP
これらの特徴に1つでも当てはまった方は、ぜひブログや小説などの「自分らしい文章を書くこと」にチャレンジしてほしいです。
きっと今まで知らなかった自分の意外な一面が見え、新たな世界が開けると思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!