ネットでHSPについて調べていると、よく「HSPはマーケティングに向いている」という情報を見かけます。
ですが、どうしても私にはそうは思えません。
少数派の意見なのかもしれませんが、むしろHSPはマーケティングに向いていないとさえ感じています。
今回の記事ではその理由について詳しく書いてみました。
HSPはマーケティングに向いているという情報が多い
ネット上にはHSPに関する様々な記事や情報があります。それらを見ていると、
・HSPはマーケティングに向いている
・HSPの強みはマーケティング思考に生かせる
・HSPの適職はwebマーケター
といった記述をよく見かけます。
マーケティングとは、「誰に」「どのような価値を」「どのようにして提供するか」を考え、商品が売れる仕組みを作ることです。
- 物事を深く考える
- 完璧主義
- 論理的な思考ができる
- 細部まで気を配れる
- じっくり腰を据えて取り組む
などのHSP特有の性質が、入念な市場調査や綿密なデータ分析を必要とするマーケティングの仕事に合っている。
…というのが、一般的に「HSPはマーケティングに向いている」と言われていることの根拠のようです。
HSPの頭脳的性質はマーケティングに合っているかもしれないが…
確かに、大雑把な性格で細かい作業が苦手な人にマーケティングは向かないでしょう。
先程挙げたようなHSPの性質は、マーケティングの仕事と合っている部分もあるかもしれません。
とはいえ、あくまでマーケティングに向いているのは「物事を深く考える」「論理的な思考ができる」といった、HSPの頭脳的な性質の部分です。
HSPの特徴は頭の使い方や物事の考え方だけにとどまりません。
HSPにはそれ以外にも、心理的な面や感情的な面で非HSPの人とは異なる性質を持っています。
この「心の面」において、HSPはマーケティングに全く向いていないと私は思うのです。
HSPの感情的性質はマーケティングに向いていない
マーケティングとは「商品が売れる仕組みを作ること」だと先程述べました。
それはすなわち、
- いかにして商品を買わせるか
- いかにしてお客さんの心や気持ちを誘導するか
- いかにして自分たちの利益を増やすか
といった、非常に打算的で狡猾な行為であると言えます。
極端な考えかもしれませんが、やっていることは「マインドコントロール」に近いものだと思いませんか?
HSPは心が優しく良心的で、相手を思いやることができる人が多いです。
そんな善良な感情的性質を持つHSPが、人の心をコントロールするようなマーケティングという行為に向いているとは到底思えません。
人の心を操作しようとすることの罪悪感に、心が耐えられるとも思えません。
実際にHSPである私自身が勉強のためにマーケティングの本を読んだこともありますが、拒絶反応が凄まじくて無理でした。
そのため、HSPでマーケティングの仕事をしている人やマーケティングをオススメしている人は、失礼ながら本当にHSPなのかと私は正直疑っています。
というように、HSPの感情的性質はマーケティングに全く向いていないというのが私の持論です。
(※個人的な見解であり、何か学術的な根拠や論拠がある訳ではありません。)
マーケティングに対するHSPの心理的抵抗感を取り除くためには?
では、HSPがマーケティングの仕事に携わるのは絶対に不可能なのか?
必ずしもそうとは限らず、私は入念な工夫をすればHSPもマーケティングをやれる可能性があると思っています。
私自身はマーケティングの専門家でも何でもありませんので、ざっくりとした概念だけになってしまいますが、通常とは異なるHSP向きのマーケティングのイメージがあります。
それは、打算的に人の心をコントロールしようとしない、お客さんの自発的な行動を促すマーケティングです。
一般的なマーケティングが「積極的なマーケティング」「攻めのマーケティング」であるとすれば、HSPは「受け身のマーケティング」を行うのが向いていると思います。
そんなイメージのマーケティングであればHSPの心理的抵抗感を取り除くことができ、HSPでもマーケティングの仕事に取り組むことが可能になるのではないでしょうか。
まとめ
以上、今回の記事では私が「HSPはマーケティングに向いていない」と感じる理由を解説しました。
HSPの頭脳的性質はマーケティングに合っている部分があるかもしれません。
しかし、HSPの心や感情といった心理的性質が絶望的なほどマーケティングに向いていない、というのが私の考えです。
HSPがマーケティングに携わるにはかなりの工夫が必要だと思っています。
今回の記事が、HSPの人の仕事選びの参考になれば幸いです。