「仕事を一人で全部やろうとするな」が世間一般の常識
今の世の中では、
- 仕事を何でも自分でやろうとしない
- 自分がやるべきでない仕事はどんどん他の人に振る
- 他の人と協力して仕事をする
- できるだけ部下に仕事をやらせる
- 自分だけで仕事を抱え込まない
というように、「仕事を一人で全部やろうとしない」ことが一般的に推奨され、半ば常識のようになっていると思います。
逆に、仕事を一人で全部やろうとする人は、典型的な仕事がデキない人だ、とすら見なされています。
実際、「仕事を一人で全部やろうとすること」を推奨している本や記事を、私は見たことがありません。
でも、私はそこに一石を投じたいと考えています。
仕事を他の人に任せるメリットは確かに分かりやすい
仕事を他の人に任せるメリットは、一般的に分かりやすいと思います。例えば、
- 自分のやるべき仕事に集中できる
- 自分の負担を減らすことができる
- 部下に経験を積ませ、成長させることができる
- 仕事を任された側の人は、信頼されていると感じる
といったものが挙げられると思います。
確かにこれだけを見れば、「仕事を一人で全部やろうとするな」と口酸っぱく言われるのも無理はありません。
でも私は、世の中の全ての人に当てはまる常識は存在しないと思っています。
つまり、「仕事を一人で全部やる方が適している」人もいると考えています。
それが、HSPの人たちです。
HSPは、仕事を他人に任せることに強い不安を感じる
HSPは刺激に対する感受性が非常に強く、その結果として不安を感じやすい傾向があります。
ここで、仕事を部下や他の人に任せることになると、そこには「不確定要素」が生まれます。
他の人に仕事をやってもらう時、細かく指示を出すことまでは可能ですが、
- 期限内に本当に仕事が終わるか?
- 自分が求めているクオリティの成果物が返ってくるか?
といったことは、最終的には仕事を任された側の人次第であり、お願いした側の人がどうにかできるものではありません。
このような「自分で仕事の進捗をコントロールできない感覚」に、HSPはとてつもなく大きな不安を感じるのです。
この不安は半端なものではなく、お願いした仕事の結果が返ってくるまでの間、強い不安を感じ続けることになります。
他の人に仕事をやってもらうことで生じる不確定要素により、不安で心を大きく乱されて仕事が手につかなくなるくらいなら、HSPはできる限り仕事を一人で全部やった方が、精神衛生上良いはずだと私は考えています。
HSPは、他人を頼ることへの罪悪感が強い
HSPは、他人を頼ることに対する罪悪感が非常に強いです。
他の人に仕事をお願いする時、
- 迷惑じゃないだろうか
- もっと違う人の方が適しているのではないか
- もし断られたらどうしよう
- やっぱり自分がやるべき仕事ではないか
など、色々なネガティブな考えが頭に浮かびます。
私の経験上、このネガティブな考えが浮かばないようにどう頑張っても、毎回思い浮かんでしまいます。
他の人に仕事をお願いするたびに、このような感じで精神をすり減らすので、身が持ちません。
それで心の負担を大きく増やし、自分の心身への悪影響を受け続けるくらいなら、HSPは仕事をあまり人にお願いせず、できるだけ自分でやったほうが良いと私は考えています。
HSPは、仕事を自分で全部やれる状況に持ち込むべき
ここまで述べてきたように、HSPは
- 仕事を他人に任せることに強い不安を感じる
- 他人を頼ることへの罪悪感が強い
という性質を持っています。
そしてこの性質は、多少は軽減できるかもしれませんが、基本的には変えることは難しいでしょう。
そのため、HSPは仕事を他の人にやってもらうことによるメリットよりも、精神的なデメリットの方が大きく、できるだけ仕事を一人で全部やった方が良いと私は考えています。
ただ、実際にそれをやるのは難しく、仕事を抱えすぎてパンクしてしまうかもしれません。なので、
- 自分が担当する仕事の数や量をできるだけ減らし、自分で全部やりきれる状況に持ち込む
- その組織内で自分にしかできない仕事を担当する
- 自分にほぼ全ての裁量権がある仕事に就く
といったことが、戦略として考えられると思います。
実際にはなかなか難しいとは思いますが、チャレンジする価値はきっとあるはずです。
まとめ
今回は、「仕事を全部自分でやりたい」という考えに対する、私の見解を述べました。
世間一般では「仕事を一人で全部やろうとしない」ことが推奨されていますが、それは必ずしも全ての人に当てはまるものではないと思っています。
私を含むHSPの人にとっては、できるだけ仕事を一人で全部やる方が性格的に向いていて、かつメリットも大きいはず!
他人に何と言われようと、これは私の譲れない信念なのです…!