本の概要
この本はご自身もHSPであり、HSPカウンセラーとしてその道では大変有名な方である、武田友紀さんの著作です。
HSPの人達がもっと生きやすくなるためにはどうすれば良いのか、どんなことに気を付ければ良いのかといったことに関する、様々なノウハウが詰め込まれています。
HSPに関する内容を扱ったものの中では最も有名な本であり、HSPを世の中に広めるきっかけとなった本でもあると思われます。
まさに全HSP必携の一冊と言っても過言ではありません。
本の内容としては、
- HSPの特徴の解説
- HSPが刺激から自分の体と心を守る方法
- HSPが無理のない、安心できる人間関係を築く方法
- HSPが快適に働くための方法
- HSPが自分らしく生きる方法
といった項目に関して、HSPの人にも読み易い優しい語り口調で解説されています。
これ1冊を読めば、HSPとは一体どんなものなのか、どんな性質があるのか、どうすれば生きやすくなるのかといったことが一通り理解できるでしょう。
読んでいくと著者の武田さんからHSPの人達への愛情やエールを感じ取ることができます。
多くのHSPの心の支えになっている本だと思います。
この本の中で印象深かった点
自分という人間に対する謎が解けた
私自身はもともと「なんか他の人と感覚が違う」「どうも生きづらい」と感じながら生きてきましたが、長年その理由をつかめずにいました。
そんな中ネットの情報でHSPという概念を知り、「これはまさしく自分のことではないか…?」と感じ、ちょうど本屋で平積みになっていたこの本を買ってみました。
すると、書いてある内容がどれも本当に納得できるものばかりであり、まるで自分の心が見透かされているかのようでした。
こんなにも内容に共感して読み進めることができた本は初めてだったかもしれません。
そして、自分のあらゆる行動原理の根底にはHSPがあり、HSPの性質が原因で世の中の多くの人とは違う行動や考え方をしていることが分かりました。
この本のおかげで自分という人間に対する謎を解くことができ、本当に感謝してもしきれないくらいです。
自分に適した努力の方向性を知れた
これまで私は
- ストレスに弱い
- 気が弱くてすぐに動揺する
- 自分に自信がない
- 疲れやすい
- 他人の意見に流されやすい
といった自分の性質に対して「こんなんじゃダメだ」と思い、なんとか改善しようと努力を続けてきました。
でも、どんなに頑張っても一向に直ることはなく、そんな自分にさらに嫌悪感を抱くという悪循環にはまっていました。
そんな中でこの本を読み、これら自分の性質はHSPに由来するものであり、ある程度どうしようもないものだということが分かりました。
鞭打って自分を変える努力をするよりも、HSPの人にとっては自分に合った環境を探し、そこで活動できるように努力した方が良い。
そんなことは今まで考えたこともなく、まさに目から鱗の情報でした。
自分自身に問題があるのではなく、ただHSPの人に適した環境に身を置けていなかっただけだということを知れて、非常に気持ちが楽になりました。
「相手の”わからない”という感覚がわからない」ことの衝撃
この本を読んで私が一番衝撃を受けたのは、HSPの人にとって最大の罠は「相手の”わからない”という感覚がわからない」という事実です。
HSPの人は自分が繊細であることを、感覚が敏感であることをなんとなく感じ取っていますが、その繊細さや敏感さが非HSPの人とどれだけ違うのかよく分かっていない。
繊細さや敏感さといった感覚の差はHSPの人が考えているよりもはるかに大きく、非HSPの人にとってはHSPの持つ感覚が本当に分からない、そもそも理解できないことも多々ある。
この事実を知って大変衝撃を受けたとともに、今までたまにあった「他人になぜか理解してもらえなかった経験」の理由が分かりました。
例えば救急車の音が気になって気が散る、といったHSPならではの経験です。
確かに、自分が無意識に当たり前にできることができない人の気持ちを想像することは非常に難しいです。
絶対音感を持つ人が音楽を苦手としている人の気持ちを理解することは難しいでしょう。
それと近いものがあるかもしれません。
この「自分が持っている感覚を相手は持ち合わせていないかもしれない」という視点を持つことは、HSPの人が円滑な人間関係を築く上で大きなカギになるのではないかと感じました。
まとめ
今回の記事では、【「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本】を紹介しました。
HSPの人が自分自身の特性をよく知るために、まず最初に読むべき一冊だと思います。
まさにHSPのためのバイブルと言えるでしょう。
この本を読んで、一人でも多くのHSPの人が生き生きとした人生を送れるようになることを祈っています。