今回の記事では、自分より若い人から学ぶことの重要性を書きたいと思います。
なぜ年長者ではなく若者から学ぶことが大切なのか?
どうすれば素直に若者から学ぶことができるようになるのか?
私なりの視点で考察してみましたので、ぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです。
年上の人から学ぶのが普通
私達はこれまでの人生を通じて、年長者から色々なことを学んできたと思います。例えば、
- 家庭では両親や祖父母からしつけられる
- 学校では先生や先輩から教育を受ける
- 職場では上司から指導を受ける
といった感じです。
年長者の方が人生経験が多く、豊富な知識を持っている場合が多いので、そういった人から様々なことを教えてもらうのは至極当然だと言えます。
ですが、年上の人から学ぶことと同じくらい、あるいはそれ以上に、自分より若い人から学ぶことも重要であると私は考えています。
若者から学ぶことが重要である理由
その理由は一体なぜか?
あくまで私の持論ではありますが、若い人から学ぶことが大切である理由は
「時代の最先端を走り、新しい価値観を持っているのは若者だから」です。
もちろん若者と一口に言っても、個別に見れば頑固な人、柔軟な人など色々いますが、全体としてそういう傾向があるのだと捉えてもらえればと思います。
世の中の固定観念を覆し、新しい時代を切り開いてきたのは多くの場合若者達です。
若者の持つ斬新な考えは大きな可能性を秘めています。
それを年長者である我々大人たちも大いに参考にし、取り入れるべきです。
普段人間は基本的に同年代の人と多く接したり、話したりすることが多いと思います。
すなわち大人は大人とばかり話すため、古い価値観が固定化しやすい。
若者は若者同士でよく話すため、どんどん新しい考えに触れることができる。
だからこそ、我々大人は積極的に若い人と接し、若者の考えから学ぶべきなのです。
大人が新しい物事を受け入れるのが苦手な理由
大人は若者から新しい物事や考え、価値観、システムを取り入れるのに抵抗がある場合が多いです。
どんなに効率が悪くても旧来のやり方に固執し、変化を拒む人のなんと多いことか…
なぜ、大人はこんなにも新しい物事を受け入れるのが苦手なのか?
プライドや優越感が邪魔をしているから
その一つは、プライドや優越感が邪魔をしているからだと私は思います。
人間は誰もが他人に認められたい、凄いと思われたいという承認欲求を持っています。
他者よりも優れているという優越感に浸りたいとも思っています。
「自分はそんなことない!」という人も、深層心理にはこの承認欲求や優越感を求める気持ちが潜んでいるはずです。
そういう本能を持っている以上、若者の意見を素直に受け入れるという行動は
- 自分の負けを認めるような行為
- 自身の優位性・有能性を脅かすもの
- 年下の人間の方が優れていると示すこと
であると、どうしても感じてしまいがちです。
結果として、若者が提案する新しい意見の内容自体にはあまり関係ないまま、まるで反乱分子の目を摘みとるかのごとく、「若者の意見だから」という理由で拒絶してしまう場面が多々ある。
そんな風に私は感じています。
大人は脳の記憶容量が圧迫されているから
また、一風変わった考察ではありますが、
「子供や若者に比べて大人は、これまでの人生で得てきた様々な知識で既に脳の記憶容量が大きく圧迫されているから」
というのも、大人が新しい物事を受け入れるのが苦手な原因だと思います。
大人は今まで生きてきた中で、数えきれないほどの
- 社会制度と手続きの方法
- 組織や集団のルール
- 一般常識や生活に役立つ知識
- 電子機器の使い方
- 仕事における専門知識
などを習得し、覚え続けています。
それだけでも相当に大変なことです。
そうやって色々な知識や方法をせっかく覚えて使いこなせるようになったのに、また次々に新しいやり方を覚えなければならない…
となれば、変化を拒絶する気持ちも痛いほどよく分かります。
人間の脳はロボットではないので、過去に身につけた不要な知識を一気に消去し、全部新しい知識に上書きする、なんて単純なことはできません。
これまでの知識を脳の中である程度維持したまま新しいものを取り入れていくのは、実は想像以上に頭や心への負荷が大きいことだと私は感じています。
年を重ねれば重ねるほど頭に蓄積された過去の知識は増大し、新しい概念を受け入れるための脳の容量は圧迫されて少なくなっていきます。
すなわち、多くの大人が新しい物事を受け入れるのに抵抗し、変化を拒みたがるのはある程度仕方のないことだと言えます。
若者は新しい物事を受け入れやすい
一方、若者はこれまで過ごしてきた人生が短いため、脳の記憶容量の空きがまだまだ大きいです。
新しい物事に直面した時もすんなりと脳が受け入れ、頭の中に入っていきます。
過去に身につけた常識や固定観念が少ないため、大人のように目の前の新しい物事と過去の知識を逐一比較する必要がありません。
昔の経験を美化したり、過度に執着することもありません。
その結果、大人がよくやるように古いものと新しいものとで優劣をつけて取捨選択するという、時間のかかるプロセスを踏まずに済みます。
新しいものをあるがままに受け入れることが可能なのです。
つまり、人間の頭は年齢が若ければ若いほど真っ白なキャンバスのようであり、様々な知識や情報という名の絵を描けるスペースがある。
大人になればなるほどキャンバスは様々な絵で埋まり、新たな知識や情報の絵を描くスペースはなくなっていってしまう、と例えることができるでしょう。
大人が新しい物事を受け入れられないことの事例
大人が新しい物事を受け入れられないことの事例として、天動説と地動説の話があります。
これは「2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義」という本に書いてあったエピソードです。
昔は太陽が地球の周りを回っているという天動説が主流でしたが、コペルニクスが提唱した地動説がそれに取って代わり、地球が太陽の周りを回っているという考えが主流となったのは、皆さんもご存じかと思います。
では、天動説から地動説へのパラダイムシフトはどのようにして成立したのか?
地動説を信じる新しい考えの人が、天動説を信じる古い考えの人々を説得したのか?
口コミのように地動説がじわじわと広まっていったのか?
真実は全く違います。
天動説を信じる人々は、学者ですら、科学的に地動説を裏付けるデータをどんなに提示されても頑なに自分達の考えを曲げることはありませんでした。
地動説が主流になったのは、年月が経ち、天動説を信じる古い考えの人達が皆死んだからなのです。
元も子もない結論ですが、それが真実なのです。
間違っていることがどんなに明確でも、大人は今までの古い考え方を意地でも手放すことができず、新しい考えを拒み続けるということが、この歴史からも分かると思います。
我々も決して他人事ではありません。
素直に若者から学ぶことができるようになる方法
ここまで述べてきたように、大人が新しい物事をすんなり受け入れるのは非常に難しいです。
人間の本能や性質上ある程度仕方ない面もあります。
とはいえ、だからといって古い考えに縛られ、支配され続ける人間であってはいけません。
社会の停滞を招く元凶とならないよう、日々意識する必要があります。
反射的に感じる拒否反応をコントロールする
どうすれば、素直に若者から新しい考えを、価値観を学んで取り入れることができるのか?
そのためには、我々が反射的に感じる拒否反応をコントロールする必要があると私は考えています。
若者から意見されたり、新しいやり方を提案された時に、程度の差こそあれどうしても多少は反射的に抵抗感を抱いてしまうと思います。
直さないといけないとは思いつつ、私自身にだってそういう一面があります。
そこをグッとこらえて一呼吸おき、
「自分の優位性を脅かされることに不安や恐れを感じているんだ」
「脳の記憶容量が既にパンパンで、新しい概念に拒絶反応を示しているんだ」
という心の反応を落ち着いて冷静に見つめます。
一歩引いて広い視野で見ることができれば、若者の提案に耳を傾ける心の余裕ができるはずです。
そうやって反射的な拒否反応を乗り越えたところで、若者の新しい考えを丁寧に説明してもらい、ゆっくりと冷静に理解しようと努めることで、新しい物事を受け入れやすくなるでしょう。
若者を脅威と見なすのではなく、仲間として対等に接する
そして何より、優秀な若者は
- 大人の優位性を脅かす者
- 先人の既得権益を潰してしまう者
だという、傲慢な考えを我々大人が手放すことが必要なはずです。
若者を、下から突き上げてくる新たな脅威だと見なすのではなく、共に働く良き「同胞」としてお互いに学び合い、協力し助け合う「仲間」として尊重する。
温故知新という言葉がまさに示すように、大人の豊かな経験をもとにした知識と若者の新たな価値観を融合し、アップグレードしていく。
世代を超えて手を取り合い、社会をより良いものにしていこうと協働する。
競争社会の中ではそう簡単なことではないかもしれません。
それでもなお、共に未来を創っていく仲間として対等な目線で接することができれば、積極的かつ抵抗なく、若者から多くのことを学び吸収することができるようになるでしょう。
まとめ
今回の記事では
- 若い人から学ぶことの重要性
- 大人が新しい物事を受け入れるのが苦手な理由
- 素直に若者から学ぶことができるようになる方法
について私なりの意見を書いてみました。
大人が新しい物事を受け入れるのが苦手なのは
- プライドや優越感が邪魔をしているから
- これまでの人生で得てきた様々な知識で、脳の記憶容量が大きく圧迫されているから
であり、素直に若者から学ぶためには
- 反射的に感じる拒否反応をコントロールする
- 若者を脅威と見なすのではなく、仲間として対等に接する
ことが重要だというのが私の考えです。
皆さんもぜひ自分より若い人から積極的に学び、新たな価値観を、新しい風を取り入れ、時代の先頭に立ち人々を引っ張って行ってほしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!